[by:玫瑰石英]捧ぐ贄は ただひとつの戀わが心 血に染む 紫のさあ玻璃に閉じ込めなさいきずを飾り曇っていく世界でもがいてあげるひと春を生き抜いてひと夏を絶え絶えに厭かずまた目覚め落ち水玉の嗚咽から訪なう指はすべてあなたとして受け入れ浮き上がる喉元に贖罪の痣の亀裂剥ぐ塞ぐ繭は 踊る影抱いて上弦の月下 爪は染む 紅ゐに見えない針 背中を貫き動けませぬただあなたを此処から見上げる為と幾雫を迎えて幾片を飲み乾して何度でも繰り返す白濁の嘔吐からあまく曳く糸を繰り天舞う如地を這い擦り歩く足元に桎梏の縄の痕摩れる